わたしは、車がだいすきだ。車がすきになったのは、免許をとってからだ。それまでは、車にのると酔ってしまうのがこわくて、なかなか車がすきになれなかった。わたしは、ひどく、車酔いしやすいたちなのだ。だが、ひさびさに戻った実家では、心配性の親が車内防音で遮音フィルムを貼って車内ノイズ防止策を練っていました。何かあったらどうする、となにかあったときのことをひたすら心配して、わたしに運転を許さないのだ。田舎暮らしで、車がないのは、実に不便である。バスは、近頃めっきり本数がへったし、夜8時すぎにはほとんど、はしっていないう。なんとしてでも運転がしたいというわけではないが、どうしようもなく退屈な夜は、近所スーパーでもどこでもよい、車でどこかへでかけたくなる。だが、機嫌の悪いときのははに頼んでも、無駄である。けんもほろろで、無視されるのがおちである。かといって、車をかしてくれるわけではない。そこで、ある日わたしは、作戦にでた。実際には、車の運転などほとんど忘れてしまって、運転する自信などなかったのだが、車庫二とめてあった車にのりこみ、エンジンをかけたのだ。エンジンの音におどろいてでてくる母。しめた。
案の定、のせてやるという。かくして、ゆきさきは、近所のスーパーながら、よふけのドライブに成功である。